従来のオフィスの意義とリモートワークの成功

世界的なパンデミックから3年が経ち、オフィス勤務の再開についての議論が続いています。過去100年間、オフィスという場所には上司がおり、人びとは管理され、業務を監督されてきました。オフィスではコミュニケーションが発生し、ミーティングが開かれ、業務を遂行するためのリソースとツールが与えられました。多くの人にとってオフィスは、絶え間なくコミュニケーションが生まれる場所として定着しています。パンデミック後、一部の企業がリモートファーストを推進する一方で、多くの企業は、ナレッジワーカーが物理的な職場環境に縛られることなく複数の場所で業務をこなせる“ハイブリッドワーク”を実現しようと試みました。

在宅勤務による柔軟性とワークライフバランスは、多くの人が想像していた以上の成果を生みました。一般的なオフィスで勤務するよりも、リモートワークのほうが高い生産性を実現できることもわかりました。多くの人にとって、それはコミュニケーションが生じる固定された不変的な場所です。また、リモート優先のポリシーのまま進んだ企業は少数ですが、ビジネスモデルに応じて、多くの企業は、ナレッジワーカーが固定の物理的な場所に縛られずに、複数の場所からタスクをこなせるハイブリッドワークの体験を作ろうとしました。

在宅勤務によってもたらされる柔軟性とワークライフバランスは、ほとんどの人が想像していた以上に成功を収めています。そして、リモートワークは、平均的なオフィスで働くよりも、生産性の高い職場体験を提供していることが判明しています。

リモートワークのストレスで生産性が低下するチーム

ただし、注意点もあります。気軽な交流が難しくなり、同僚や会社とのつながりが希薄になることで、これまで仕事がもたらしてきた社会的側面が失われ、組織の社会機構が弱体化してしまうのです。

IDCのアンケート調査によると、回答企業の3社に1社は、当初はチームの生産性向上が見られたものの、従業員のデジタル疲れや企業文化の喪失に悩み始め、時間の経過と共に生産性が低下していったと回答しています。

もちろん、こうした問題を回避しようと努める組織も少なくありません。同調査によれば、回答組織の41%が、従業員間のコラボレーション促進や企業文化の維持を目指して、従業員が進んでオフィスに戻るための施策や指針の策定に取り組んでいる。

IDCは、そうしてオフィスに戻る従業員が増えていくことを予測しています。『IDC Return to the Office Forecast』では、2023年、西欧の70%以上の従業員が週に少なくとも1日は出勤すると推定しています。

今後のオフィスはなんのために存在するのか

現在、オフィスのあるべき姿について、実にさまざまなアイディアが生まれています。その一方で、さまざまな課題に直面し、「オフィスの目的とは何か」という問いも生まれています。

オフィスはなぜ存在するのでしょうか。主に3つの理由が考えられます。

  • コラボレーションコミュニケーションを促進すること
  • イノベーション創造性を引き出し、それらの実現を支援すること
  • 組織文化を顕在化する空間を作ること

ここで、組織は物理的な職場の“社会的”側面を増やす必要があるのかという疑問が生まれます。もし自宅のほうが業務に集中できるのであれば、オフィスは人びとが集まり、ミーティングしたり、コラボレーションしたり、自由にアイディアを交換したりするための専用スペースとするほうがよいのではないでしょうか。

1つ1つの組織は独自の道を歩むものであり、1つの戦略がすべてに当てはまるわけではありません。しかし従業員にとって、また企業の長期的な成功において、コラボレーションがどれほど大きな役割を果たすのかを理解することは極めて重要です。

コラボレーションを重視したオフィス改革

この3年間で、私たちの仕事に大きなパラダイムシフトが発生しました。ところが職場環境は、その変化のペースに追いつけていません。IDCのレポートでは、パンデミック以前に設計されたオフィスの多くは、現在のハイブリッドワークに適さないことが示されています。そのためオフィスの重要性を認識している企業は、自社のワークプレイス戦略に対して新しいアプローチを採用し、それに基づいて職場設備を最適化していく必要があることを理解しています。

コラボレーションをワークプレイス戦略の中核として捉えるのであれば、できるかぎり最良のコラボレーションを実現するためのツールを提供する必要があります。オフィス勤務の従業員もリモートワークの従業員も、遠隔地の顧客であっても、オフィス内で行うのと同等の最上級の品質でやり取りできるようにすることが重要なのです。

従業員の業務全体において、コラボレーションは非常に重要な役割を果たします。また会議システムの音質が、コミュニケーションへ大きな影響を与えることも知られています。したがって、最適な従業員体験を提供するためには、コラボレーションスペースを再構築しなければならないでしょう。もし実行できなければ、エンゲージメントの低下、スタッフの燃え尽き症候群、ビジネス機会の逸失などのトラブルを招きかねません。IDCは、ハイブリッドワーク環境のコミュニケーションを強化する目的で会議システムの音質改善に投資することが、具体的なビジネス成果につながる可能性があると説明します。

出典: IDC ベンダー・スポットライト(Shure提供)、 サウンドアドバイス: 高品質オーディオがハイブリッドワークの効率を最大化する

#EUR150423123, March 2023

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本当に全社員をオフィスへ戻すべきか?IDCが提言する、会議音声を見直せばハイブリッドワークの方がうまくいく理由とは。

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