教育機関における授業への新たなアプローチを学ぶ

 

教育機関は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって大きな打撃を受けています。大学や専門学校などの高等教育機関は学生の登校を禁止し、オンライン授業システムや仮想コラボレーションツールを使って授業を行いました。自粛期間中、講師は授業用というよりソーシャルツールに近いWEB会議ソリューションを使用していたケースが多く見受けられます。

現在、教育関係者だけでなくすべての人が自粛明けの社会において最適な働き方、活動の仕方を模索しているところです。そんな中、遠隔授業にせよ対面授業にせよ、教育機関が授業を推進していくにあたって次に目指すことは何でしょうか。

まず、今回のコロナ禍の初期を軽く振り返ってみましょう。高等教育機関では、他の産業セクターよりもかなり早い段階で進行中のプロジェクトの中断が決まり、授業用AVシステム調達の一時棚上げが目立ちました。

Shureのグローバル・インテグレーテッド・システムズ・セールス担当バイスプレジデントであるジム・シャンツ(Jim Schanz)は、次のように述べています。「残念ですが多くの場合、学生の授業体験にはあまり重点が置かれず、『当座の課題を解決するための間に合わせ』といった印象のソリューションが導入されることが多かったように思います」

 

投資の増加

教育機関や訓練機関は、学生や受講生を少人数のグループに分け、広い講義室や階段教室に間隔を開けて座らせるといった新たなソーシャルディスタンスのガイドラインに向け、その授業形態へ十分に対応できる技術の導入へ投資しています。例えば入りきれなかった生徒が離れた場所から同じ条件で講義を受けられるような設備です。このように一人の講師が録画配信やライブで遠隔授業を織り交ぜて行うようなケースでは、現在の仕組みでは質の高い授業を公平に受けるのは非常に難しいことが間々あるようです。

現在はどの教育機関も、やはりこれまでの間に合わせのAV設備ではこのようなニューノーマルにおける授業のシナリオにはとても対応できないことをはっきりと認識いるわけです。

Shureは現在お客様のニーズの傾向から、今後は講堂や大教室など大空間の利用は減り、遠隔先にいる生徒への配信授業に適した中小教室、あるいは配信専用室が増え、講師はそこからリモート授業を行うようになると予想しています。

「こういったリモート授業に対応する教室は、AVシステムの設備面から見ると、実に役員会議室に備えられるハイエンドシステムに比肩するものになるはずです」とジム・シャンツは述べています。

つまりどこから参加しても、参加者全員が等しい条件で発言や質問、文書の表示・共有をすべてシームレスに行えるシステムが求められているということなのです。

 

遠隔授業への準備

教育機関が遠隔授業へシフトしていくペースを見ると、いかに多くの機関が離れた場所にいる学生を教えなければならない状況に立たされているかがよくわかります。そして未だ、その準備が整っている機関は多いとは言えません。

ジム・シャンツは次のように述べています。「このような遠隔授業のニーズへ対応するという点で、本当にしっかりと準備・運用できているとは言えない大学もまだまだあるようです。そして大学自身これまでの経験から、このニーズに対して授業用オーディオシステムが現在どれくらい不十分かということも十分浮き彫りになりました。やはり利用者である学生がその不十分さを経験し、1対多形式の遠隔授業にはより優れたAVシステムが必要であることも実感しているのです」

 

教室におけるソーシャルディスタンス

現在学校運営の状況は国や地域によって様々で、半年~通年で遠隔授業を行うことに決めたところもあれば、遠隔授業と教室でのソーシャルディスタンスを組み合わせているところもあります。いずれにせよこれからは遠隔授業に加えて、「ソーシャルディスタンスに配慮した教室」に対応するオーディオソリューションが、短期的にも長期的にも学校設備の大きな特徴になるでしょう。例えば、ShureのMicroflex Advanceのように天井や壁から収音し、さらに声を拾う場所を任意に、しかも複数設定できるアレイマイクロホンを使用すれば、講師や生徒の話す場所が変化してもしっかりと収音でき、生徒は離れた席にいる人へマイクを回していく必要もなくなります。

ディスカッションやアクティブラーニングなど、講師や生徒同士がさらに活発に意見を交わすような授業のシナリオでは、すべての人がすべての人の発言をはっきりと聞き取れるということが何より不可欠です。しかしお互いが距離を取って座っていれば、声量の大きい人ばかりではないわけで、条件はますます厳しくなるわけです。このような課題に対して有効なのがボイス・リフト・テクノロジーです。この技術は天井などから収音した声を各所に配置されたスピーカーから「足りない分だけ」補助的に拡声するソリューションで、地声であれば聞き取れない遠くの人も、「地声+補助拡声」の音を聞くことで、肉声を近くで聞いている状態に近い自然な音を得ることができます。こうした授業で質問や意見のたびにハンドマイクを回していくのは現実的ではありませんから、このような最新のソリューションの助けを借りるのが得策でしょう。また遠隔で参加している生徒に対しては、肉声に近いレベルの音量・音質で発言が送られます。このように、教室内で離れていても自宅にいても、すべての人が近くで会話している感覚に近いコミュニケーションが、今のテクノロジーでは可能になっています。

 

学習環境では「聞き取れる」ことが絶対条件

遠隔授業への大規模な移行は突然、思いもよらない形で始まりました。その結果、教育においてビデオ会議という手段の大きな価値が証明されると同時に、これまで採用していたAVソリューションの欠点が明らかになっています。授業・学習環境ではっきりと聞き取れるクリアな音声を安定的に得られる設備をそなえることが急務であるならば、このようにより高度なソリューションに注目が集まるのも当然なのかもしれません。

 

詳細はこちらからShureの高等教育機関向けソリューションをご覧ください。

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