95%の会議室が最小限の設備に留まっている事実が、何を意味するか

 

ある調査によれば、オンライン会議が普及した現在にあっても、依然多くの会議室に備え付けの機器は電話やスライド投影用のディスプレイなど基本的なもので、コミュニケーションをサポートするテクノロジーは最小限のものに留まっています。また会議用設備の整備状況の良し悪しによって、会議の進行が左右されることも示唆されています。また別の調査では、87%の回答者が会議室での機器の不具合が原因でストレスを感じると答えています。

これらは、大手コンサルティング調査会社のフロスト&サリバン社(以下F&S社)が発表したレポートで明らかにされた内容の一部です。「新しい働き方の新しい会議に必要な7つのステップ」の中では、職場における新たなニーズやオンライン会議用クラウドサービスの導入によって、会議用音響設備を更新する必要性について詳しく評価されています。

F&S社は、コロナ禍における社会不安、あるいは異常気象などさまざまな要因でオンラインコラボレーションのニーズが生まれていると指摘し、「会議室について考え直すに至る大きな要因の一つは、分散化した働き方の拡大が予想されることです」と述べています。

 

いつでもどこでもできるのがオンライン会議の強みだが、会議室のAVシステムは対応しているか?

 

こうした見直しの目的は、「いつでも繋がり、いつでもコラボレーションすることで、動きの早いチームとプロセス」を強化することだと考えられます。しかし、調査が示唆しているように、95%の会議室はそのための設備が不十分であるとすれば、どこから手をつけるべきなのでしょうか。

今、クラウドベースのWEB会議サービスを導入し、最新のオーディオリューションと組み合わせることに着手する企業が増えています。これについては、F&S社の調査レポート中で「将来の組織コラボレーションには、その組織が投資した最新の堅牢なWEB会議サービスを活用するのに相応しい性能を持つAV設備を備えた会議室が必要である」と明言されています。

つまり、便利なWEB会議サービスを会議室で利用するためには、発言をはっきりと聞き取るためのマイクやスピーカーなどの設備が不可欠と言い換えられるでしょう。

さて、それでは優れた会議音声を実現するべく会議室を見直すにあたって、何を考慮していけばいいでしょうか。音響上考慮すべき大事なポイントは数多くあります。例えば、部屋の広さと音響特性、会議の種類、参加者数、リモート参加者の有無、ディスプレイの配置、騒音源(薄い壁、人通りの多い廊下など)、導入・利用・管理が容易であるか、などが挙げられます。

 

音響設備がもたらす会議の効率化

効率的な会議は、まず「はっきりと聞き取れる」ことから始まります。しかし多くの組織ではこの点で依然課題を抱えているのが現状で、調査でも70%以上の経営幹部が、会議の生産性や効率性が低いことを認めています。では、優れた音声がどのような違いをもたらすのか、もう少し具体的に明らかにしてみます。

 

  • 利用者側のメリット:適切に構成された会議用オーディオ機器があれば、ユーザーは提示された情報や議論へ即座に集中することができます。加えて、PCの接続や取り外し、機器の音量調整、会議ごとに機器をセッティングする手間などを大きく削減することもできるでしょう。また会議室内の設備に触れることが減れば、おのずと衛生対策にも寄与します。さらに、会議のための準備や操作が減ることで、操作が分からず管理者を呼び出す回数も減るでしょう。

 

  • 管理者側のメリット:最新の会議用音響機器はネットワークに対応しており、リモートで管理することが可能です。管理スタッフは社内ネットワークにアクセスできる環境であればどこにいても、オーディオの設定や調整(音量調整、マイクロホンの収音範囲やスピーカーの音質調整など)、デバイスの診断、ソフトウェアアップデートの実行、機器の電源のオン/オフなど行うことができます。リモートで効率的に管理できれば、利用者から問い合わせが来てから対応するのではなく、機器が不都合なく動く状態を事前に保っておくことができるでしょう。

 

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